☆ポイント
・需要曲線とは何か?
・需要曲線の合成とシフト

◎需要曲線
 一般に合理的な消費者は、安い価格のとき、多くの財を買おうとするだろう。
 そのような価格に応じた需要量の変化をグラフ化したものが、需要曲線である。
 まず、個人の場合の価格と需要量の関係について、ある財の需要量X価格Yの間に次のような組み合わせがあるとする。
df1
これをグラフ化するだけで、個人の場合の需要曲線が出来上がる。

graph4
 ほとんどの場合、財が安くなればなるほど、より多くの財を購入しようとするため、需要曲線は右下がりのグラフになる。
 ちなみに、本筋から外れた話をすると、これは単純にmatplotlibのplot()で点を繋げただけだが、どうしても滑らかな曲線でグラフを描きたいという人には、scipyのinterpolateで補完することをオススメする。

◎需要曲線の合成
 個人の場合の需要曲線は表現できたが、2人以上の経済の場合はどうなるだろうか。
 まず、上の例の個人に加えて、次のような需要曲線を持つ別の個人がいるとしよう。
df2
graph5
 この2人からなる経済の場合、単純にそれぞれの価格での需要量を足し合わせればよい。
df3
graph6
 つまり、複数の主体からなる経済の場合には、それぞれの価格について、需要量の和である総需要量を求めればよいのである。
 このように、総需要量を横軸に取った需要曲線を、市場需要曲線と呼び、個人の需要曲線がほとんどの場合で右下がりであるから、ほとんどの市場需要曲線も右下がりになる。
 例えば、ある財に対して消費税が課される場合、それは財の価格上昇と等しいから、需要曲線上では左側に消費税率分移動することになる。

◎需要曲線のシフト
 ある1本の需要曲線上の点で表せるのは、価格以外の条件が一定の場合のみであり、他の条件が変化してしまえば、需要曲線そのものが移動することになる。
 例えば、人々の平均所得が増加した場合、それぞれの価格における購入量も増加するから、需要曲線は右側にシフトすることになる。
 このような需要曲線のシフトが起こる例を他にもいくつか挙げてみよう。
1. 代替財や補完財の価格変動:米とパンのように、両方が同じような欲求を満たすと考えられるような2つの財を代替財と呼び、片方の価格が高くなると、もう一方の需要が高くなるという関係にある。
 パンとジャムのように、一方の価格が高くなれば、もう一方の需要が低くなるという関係にあれば、それら2つの財を補完財と呼ぶ。
2. 人々の嗜好の変化:2019年に起こったタピオカドリンクの流行のように、財の流行は需要を増大させる。
3. 人口構成の変化:日本のように少子高齢化が進めば、ベビー用品の需要はだんだんと低下していくだろう。
 余談だが、2のような心理的な変化に関するものにはサイコグラフィック~という名前が、3のような人口構成の変化に関するものにはデモグラフィック~という名前が付くことが多い。

☆まとめ
・財の価格以外の条件を一定にしたときの、それぞれの価格に対する需要量をグラフ化したものを、需要曲線と呼ぶ。
・需要曲線の合成は、需要量の足し算になる。
・需要曲線がシフトする要因には、代替財や補完財の価格変動、心理学的効果、人口統計学的効果などがある。